代表理事ご挨拶

代表理事 加藤 智章

 以下は、本法人前代表理事であった道幸哲也先生が、本ウェブサイトに寄せた挨拶の抜粋である。


 ワークルールを知ることは就活に不利となり、学校もワークルール教育にそれほど熱心ではない。ワークルールを知ることは会社に反抗する行為とみなされ、知らないことによる自己保身が図られる傾向さえある。

 このような態度を助長するものとしては、権利主張を許さない職場実態がある。他人と違う行動を許さない「同調圧力」も社会的に相変わらず強固である。とりわけ、最近の職場の状況は余裕がなくなり、人間関係の争いがハラスメント事案やメンタルヘルス事案の法的紛争として増加している。その背景としては、連帯よりも同僚間の競争を助長する成果主義人事や IT 慣れによる人間関係形成・調整能力の低下等が挙げられる。上司の余裕のなさやリーダーシップの低下も見逃せない。

 一方、多様な働き方や自分らしさを追求すべきだとする社会風潮も出てきている。しかし、実際には多様性や会社に対する異議を許さない職場風土が形成されている。権利主張はハイリスクであり、不満を持つことさえもはばかられる閉塞状態となりつつある。


 私もまた、このような認識に共感する。

 NPO 法人「職場の権利教育ネットワーク」は、以上のような生きづらい職場状況を打破し、労使ともに働きやすく、自分らしく働きがいのある職場の実現を目指して、今後も地道な活動を続けていきたい。

2023 年 11 月

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